チャイルドシートは、法律では何歳までが義務づけられているのか?
助手席に設置する事や、座り方の向きについて書いてみました。
チャイルドシートに関する法律 何歳までの義務?
チャイルドシートに関する法律と、何歳までが義務付けられているのかについて書いていきます。
チャイルドシートに関する法律は、2000年に改正された道路交通法にはこのように記載されています。
普通自動車等の運転者の遵守事項
3 自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。
以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。
ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
『道路交通法』 第七十一条の三
「幼児」とは6歳未満の子供を意味します。
なので、生まれてから満6歳になるまではチャイルドシート(道路交通法の文面では「幼児用補助装置」)の着用が義務付けられています。
ただ、体格にもよりますが、シートベルトが首に掛かったりする場合は、ジュニアシートを使用する方が安全ですね。
シートベルトが本来の性能を発揮できるように補助する、シートベルトクッションなどもあるので、こちらを使用する方法もありますね。(ページ下部に記事リンク貼っています)
チャイルドシート 着用義務が免除になる場合は何?
引用部分にも記載されていますが、チャイルドシートの着用義務が免除される場合があります。
道路交通法施行令、第二十六条三の二には、チャイルドシートの着用義務の免除について書かれています。
要約すると以下のような内容です。
- 構造上チャイルドシートを固定できない座席に幼児を乗せる場合
- 乗車定員内で、乗車する幼児の人数分のチャイルドシートを設置すると、全員が乗車できない場合
- 負傷や障害により療養上、健康保持の上でチャイルドシートの着用が適当ではない場合
- 著しい肥満などの身体の状態により、適切にチャイルドシートが使用できない場合
- 運転者以外の物がチャイルドシートを着用した状態で、授乳などの日常生活上の世話ができない場合
- 旅客として乗車する場合(バスやタクシー)
- 道路運送法第78条第2号又は第3号に掲げる場合に該当して、人の運送の用に供される自動車で幼児の運送の為に乗車させる場合
- 応急の救護のため医療機関、官公署などへ緊急に搬送する必要がある場合
…結構、たくさんありますね。
チャイルドシートを設置できないシートとは?
チャイルドシートを設置できないシートについて書いていきます。
チャイルドシートは、取り付け方法の1つにシートベルトを使用する方法があります。
現行の自動車では、ほとんどが3点式のシートベルトですが、古い車では2点式のものもあります。
また、4点式シートベルトの自動車もあります。
チャイルドシートの売り場には、適合表があります。
取り付けを検討している車種が適合しているのか、を確認してみたほうが良さそうです。
また、適合表に記載があっても、取り付けられるが実用的ではない場合もあるようです。
適合表の確認だけでなく、できれば試着するのが確実ですね。
幼児全員分のチャイルドシート設置で乗車できない場合とは?
こちらは、最初に乗車定員の算出から確認していきましょう。
自動車には乗車定員が設定されています。(車検証に記載されています)
ここの定員は、大人の人数が記載されています。
この場合は大人は、12歳以上が対象になっています。
それでは、12歳未満の子供はどのようにとらえるのでしょうか?
道路運送車両の保安基準、第53条に記載されています。
2 前項の乗車定員は、12歳以上の者の数をもつて表すものとする。この場合において、
12歳以上の者1人は、12歳未満の小児又は幼児1.5人に相当するものとする。『国土交通省 資料』
つまり、大人1人=12歳未満の子供1.5人 と捉えています。
例えば、乗車定員5人の車に大人が2人乗車する場合、以下の通りになります。
(乗車定員 - 大人の人数)× 1.5=12歳未満の子供の人数
(5 - 2)×1.5=4.5
つまり、小数点以下を切り捨てして、4人が乗車できることになります。
この時に、4人の子供がすべて6歳未満の場合は、4台のチャイルドシートを設置する必要があります。
しかし、4つのチャイルドシートを定員5名の自動車に設置する事は、ほぼ不可能です。
そこで、まずは(乗車定員内という条件で)全員が乗車できる事を満たせる数のチャイルドシートを設置します。
この場合、チャイルドシートが着用できない幼児がいても、違反とはならない事になります。
また、シートベルトについても、乗車定員内であれば装着できない乗員がいても問題ないようです…
(ただし、高速道路では後部座席のシートベルト着用は義務なので、免除とはなりません)
ただ、万が一の子供の安全を考えているなら、このような免除条件が存在しても、その選択肢は選ばないでしょう。
乗車定員を満たしていたとしても、チャイルドシートの必要設置数を満たせる条件の自動車を選びましょう。
次に、チャイルドシートを設置する場所について書いていきます。
チャイルドシート 助手席に設置は違法?
チャイルドシートを助手席に設置するのは違法なのか?について書いていきます。
チャイルドシートの設置について、助手席が違法という記載はありません。
しかしながら、助手席にチャイルドシートを設置し、万一の事故の場合を考えるとおすすめはできません。
助手席のエアバッグは、大人が乗車している状態での作動を想定しています。
なので、チャイルドシートの分だけ前方に子供の身体が出ている場合、エアバッグとチャイルドシートに挟まれてしまう可能性があります。
助手席にチャイルドシートを設置する場合は、前向きタイプも物を、できるだけシートを後ろに下げて設置しましょう。
やはりチャイルドシートを設置する場合は、後部座席が理想ですね。
チャイルドシート 設置方法について
チャイルドシートの設置方法について書いていきます。
設置方法は、シートベルト固定タイプとISOFIX(アイソフィックス)固定タイプに分かれます。
チャイルドシート シートベルト固定タイプ
チャイルドシートを、シートベルトを使用して座席に固定させる方法です。
長所としては、3点式シートベルトであれば、設置できる自動車が多い点です。
親戚間で、かつて使用していたチャイルドシートを譲ったりする場合には、この固定タイプの方が安心ですね。
反対に短所としては、しっかり設置できていない割合が高いという点です。
汎用性が高い反面、取り付けの為の部品点数が多い事や、取り付け方法が複雑であったりする為です。
2019年の警察庁の調査によると、しっかり設置できている割合が約47%、しっかり着座している割合は約42%でした。
(参照URL:ttps://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html)
設置不備の内容については、ベルトの締め付け力不足がダントツで1位でした。
万一の事を考えると、この結果には怖い物を感じてしまいます。
チャイルドシート ISOFIX(アイソフィックス)固定タイプ
チャイルドシートを固定するもう一つの方法として、ISOFIX(アイソフィックス)という固定タイプがあります。
これは、自動車のシートに固定用の金具があり、チャイルドシートの固定金具と接続する事で固定する方法です。
この固定方法の国際標準規格の名前でもあります。
このタイプの長所は、設置方法が簡単であることです。
設置方法の動画を見ましたが、自動車のシートに専用の金具を使用して接続するだけです。
確実にロックできているかの確認も、赤と緑のシールの使い分けで分かりやすいです。
しかし、簡単な設置方法とはいえ、設置不備の場合もあります。
このタイプのチャイルドシートを導入される方は、取扱説明書を熟読する事を忘れずに。
次に、このタイプの短所についてです。
このタイプの短所は、適合車種にしか設置できない、という点です。
とは言っても、この規格が義務化されているのは2012年7月以降に発売された自動車です。
規格の義務化以降、約10年を経過しているので、このタイプのチャイルドシートに対応している自動車の方が、多いのではないでしょうか。
注意していただきたいのは、この規格に対応していない自動車にも装着できる「後付けの取り付け用金具」が販売されているそうです。
この後付けの金具は、規格に求められる強度が担保されていない製品のようです。
万が一の事故の衝撃で、金具が破損・変形を起こし、最悪の場合チャイルドシート自体が車外に放り出されてしまう可能性があります。
チャイルドシート シート方式について
チャイルドシートのシート方式について書いていきます。
こちらは、回転式と固定式の2つに分かれており、それぞれに長所と短所があります。
チャイルドシート 回転式シートについて
回転式のチャイルドシートは、シートが回転するタイプのチャイルドシートです。
長所としては、シートの向きを自由に変えられるので、子供の乗り降りがしやすい点です。
短所としては、部品点数が多くなる事からチャイルドシート自体が重く、持ち運びや設置の頻度が多い場合には向いていないという点です。
チャイルドシート 固定式シートについて
チャイルドシートの固定式シートは、文字の通りシートが固定されています。
このタイプの長所は、チャイルドシート自体が軽いので、持ち運びと設置の頻度が多い場合に負担になりにくいという点です。
また、このタイプではシートとベース部に分かれる製品もあります。
シート部だけを持ち運ぶこともできるので、同じベースであれば簡単に他の車へ乗り換える事もできます。
このタイプの短所は、子供の乗り降りがしづらい点です。
しかし、シート&ベース分離タイプのチャイルドシートであれば、そこまでの短所にはならないと思われます。
チャイルドシート 選び方
チャイルドシートの選び方について、そのポイントごとに書いていきます。
チャイルドシートの規格に適合しているか?
最初は、安全の為にも規格に適合しているチャイルドシートを選ぶことが大切です。
チャイルドシートに関する規格(基準)は、2つあります。
R44とR129という基準です。
これは、国際連合欧州経済委員会(UNECE)が定めた安全規則です。
R129の方が新しい基準で、2013年7月まではR44を満たすチャイルドシートが安全の為の基準とされてきました。
R129は、より高い安全性を担保する為に、R44の基準以上に厳しい物となっています。
チャイルドシートを選ぶ場合は、R129に適合している物から選びましょう。
また、適合している証明として「Eマーク」が貼付されています。
○で囲まれたアルファベットの「E」の横に数字が一緒に書かれています。
(製品を認可した国番号、日本は43)
子供の年齢(月齢)や体格にあっているか
チャイルドシートは、子供の年齢(月齢)によって最適なシートが変わります。
以下に書いてみます。
新生児~4歳頃まで チャイルドシート
新生児~4歳頃(R129では身長105cm以下)までは、チャイルドシートを使用します。
15ヶ月未満や身長76cmを超えるまでは、後ろ向きでの着用が必須です。
1歳~11歳まで ジュニアシート
1歳~3歳(体重では9~36kg)まではチャイルド&ジュニアシート。
体格等に合わせて、高さ等が調整できる製品が多く取り扱われています。
3歳以降は、ジュニアシート(体重目安は~36kg)を使用しましょう。
製品によっては、座面部分のみで使用できる物もあります。
法律では6歳未満となっていますが、身長140cm未満の子供の場合は、座面部分のみでも使用する事をおすすめします。
(シートベルトは140cm以上の体格を想定してい設計されているようです)
クッション性や通気性などの装備は十分か
次にチェックしたいポイントは、クッション性や通気性などの装備についてです。
クッション性は万一の事故の衝撃を吸収できる素材や、機構(機能)のある物を選びましょう。
子供は大人よりも汗をかきやすいです。
なので、通気性のよい素材を肌に触れる部分に採用しているシートを選んでおくと、夏場などの特に暑い季節には快適ですね。
チャイルドシートの装備として、サンシェードが付いている等の快適性を向上する装備の物もあります。
これらのポイントも、チャイルドシートを選ぶ時にチェックしてみましょう。
使用者のレビューを見てみる
チャイルドシートに限らず、大きな買い物や失敗したくない買い物では、使用者のレビューを確認する人は多いのではないでしょうか?
冒頭部分に適合表の事を書きましたが、適合車種であっても実際の取り付けでは、実用性との両立ができていない場合も起こります。
そこで、実際に使用した人の感想から、自身の使用する環境に合っているか、というのを考えてみてはいかがでしょうか?
チャイルドシート レンタルという選択肢も
チャイルドシートは、子供の成長に合わせて必要であれば買い替えをする物です。
しかし、製品単価と使用期間を考えてみると割高に感じてしまうのも確かな部分であります。
人によっては、使わなくなった時にフリマアプリ等で現金化する選択肢もあると思います。
需要が無くなる事の無いアイテムなので、リセールバリューが下がる事は、あまりなさそうです。
新品を購入する以外にも、チャイルドシートのレンタルという選択肢もあります。
インターネットで「チャイルドシート レンタル」と検索すると、大手企業が手掛けているレンタルのページが表示されます。
他にもECサイトでも、チャイルドシートのレンタルという商品が取り扱われています。
必要な出費をポイントで補填する、という方法も賢い選択肢ですね。
新品という状態で使用できるのが、購入する事のメリットでもあります。
考え方は、人それぞれなので、納得できる選択ができるように、しっかり話し合いましょう。
チャイルドシート 生まれた時から必要です
チャイルドシートは、子供が生まれた時から必要になります。
子供が生まれてから、急いで購入しても間に合います。
しかし、起こりうる可能性のある出来事を考えていくと、時間を掛けて用意しておきたい物ですね。
インターネットで情報を集める方法も効率的です。
近くで実際に使用している友人等の「生の声」も有効です。
チャイルドシートを卒業しても、シートベルトが首に当たったりする人もいると思います。
そんな時は「シートベルトクッション」や「シートベルトカバー」を試してみてはいかがですか?
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