ドアスタビライザーの効果とデメリット、その自作について調べました。
TRDやGRとアイシンの違いについても書きました。
ドアスタビライザーとは?
ドアスタビライザーというパーツをご存知でしょうか?
そのまま訳すと「ドアを安定させる物」です。
具体的にはドア開口部側とボディを接触させて安定させるアイテムです。
車のドアは、ヒンジ部分によりボディと繋がっています。
その反対の開口部側には、隙間があります。
隙間がありますが、ドアを閉めると固定されているように見えます。
実際にはボディ側のストライカーを、ドア側のキャッチが挟みこんでいます。
これにより「ドアが開かないように留めている」状態にしているだけです。
なので、ストライカーとキャッチの間にも小さな隙間が存在します。
この状態は、ドアの開口部側はヒンジで支えられ浮いている状態になります。
ドアスタビライザーは、この隙間を無くしてボディとドアが接触している状態にしてくれます。
ドアスタビライザーの効果
ドアスタビライザーの効果について書いていきます。
ドアスタビライザーを取り付けると、ドア開口部側がボディと接触している状態になります。
これによる効果は複数あります。
- ボディ剛性が上がる→乗り心地向上
- 操舵に対する車体の反応が早くなる
- ドアからのギシギシ音が軽減される
それぞれをピックアップしていきます。
ドアスタビライザーの効果① ボディ剛性が上がる
効果の1つ目は「ボディ剛性が上がる」です。
サーキット等でスポーツ走行をする場合、ボディ剛性は重要な要素です。
一言で言えば「ボディがねじれにくくなる」事です。
カーブでは進行方向に対してカーブ外側に遠心力が生まれます。
ボディ剛性が高くない場合、遠心力により外側にボディが引っ張られます。
これに対し、サスペンション等が動く事で車体の姿勢が保たれます。
しかし、ドア部分の隙間等でボディがねじれる事で、サスペンションに掛かる力が減少します。
結果として、サスペンションの効きが弱くなりカーブ外側に膨らみやすくなります。
ドアスタビライザーを取り付ける事で、隙間に逃げる力をサスペンションに伝える事ができるようになります。
セダンやミニバンなど、後部座席がある車種や車高の高い車では、後部座席の揺れが改善され乗り心地の向上に繋がります。
カーブの他に高速走行での車線変更時の揺れが軽減される効果もあります。
ドアスタビライザーの効果② 操舵に対する車体の反応が早くなる
2つ目は「操舵に対する車体の反応が早くなる」です。
1つ目のボディ剛性で触れましたが、カーブや車線変更時の操舵の舵角を小さくする効果があります。
前述の通りですが、操舵による力の向きの変化が無駄なくサスペンションに伝わる為です。
私の86にもドアスタビライザーが取り付けられています。
取り付け後に最初に感じた変化が「車体の反応が早くなった」事でした。
高速道路での車線変更の時が一番違いを感じやすく、ハンドルを切った瞬間に車体が反応しているように感じました。
取り付ける前に比べてワンテンポ早くなった、といった感じです。
補足ですが、ドアスタビライザーを取り付ける前にスタビライザーをスポーツ用に交換しています。
スタビライザーは車体下部に取り付けられており、左右のタイヤが独立して上下するのを抑制する働きがあります。
これにより、カーブでの車体の傾きを抑えて乗り心地と安定性の両立ができるようになります。
私の場合は、ドアスタビライザーのみの取り付けよりも効果を感じやすかった可能性があります。
取り付け後の変化をより感じたのは、ドアスタビライザーの方でした。
ドアスタビライザーの効果③ ドアからのギシギシ音が軽減される
3つ目の効果は「ドアからのギシギシ音が軽減される」です。
これは、これまでの効果と同じです。
音の原因が「ボディのねじれ」なので、原因のねじれが改善される為です。
走行中のドアからの音が気になる場合は、取り付けてみると改善されるかもしれません。
ドアスタビライザー デメリットとは?
次にドアスタビライザーのデメリットについて書きます。
考えられるデメリットは以下の通りです。
- 高い(費用面)
- 効果が感じられない(場合がある)
- ドアが若干閉めづらくなる
ドアスタビライザーのデメリット① 高い(費用面)
ドアスタビライザーのデメリット1つ目は「高い(費用面)」です。
ドアスタビライザー本体とそれ以外に掛かる費用を考えてみました。
2ドア車の場合は1セット(2個入)が必要です。
4ドア車やスライドドア車の場合は2セット必要です。
スライドドア用のブレースも販売されています。
価格は1セットが約15,000円です。
この他に工具が必要です。
ドアストライカーのネジは高いトルクで締められています。
取り外す時も取り付ける時も規定のトルクで締める事が必要です。
トルクレンチが必要です。
そして、ネジ穴が特殊なのでビットを用意する必要があります。
ゼロから用意する場合は大きな出費です。
私はスタビライザーよりも効果を感じられたので、割安に感じました。
ちなみに、取り付けたスタビライザーはセール品で約60,000円でした。
ドアスタビライザーのデメリット② 効果が感じられない(場合がある)
ドアスタビライザーのデメリットの2つ目は「効果が感じられない(場合がある)」です。
感覚に訴える部分が大きいアイテムなので、乗り慣れた車であるほど効果を感じやすいと思われます。
なので、例えば新車納車前に取り付けしてもらった場合は、アイテムの効果なのか、元からの物なのか、判別できません。
ドアスタビライザーのデメリット③ ドアが若干閉めづらくなる
ドアスタビライザーのデメリット、3つ目は「ドアが若干閉めづらくなる」です。
ドアとボディの隙間を解消するアイテムなので、取り付け前よりもドアを閉めるのに力が必要になります。
しかし、ドアの閉まる音は高級車の物に近い音になるようです。
ドアの閉まる音にもこだわりたい、という方にはおすすめです。
ドアスタビライザー DIYについて
ドアスタビライザーの自作について調べました。
要は「ドアとボディの隙間を埋める」事なので、こんなアイテムを使っている方が見つかりました。
ドアスタビライザーの自作① 家具用すべり材
1つ目は「家具用すべり材」を使用するパターンです。
ドアストライカーの上下(もしくはどちらか)とドア側に貼り付けるという方法です。
ドアを閉めるときに半ドアになりやすい、という声が多かったです。
しかし、これは自然と慣れてしまうようです。
取り付け後の違いは…
- 走行中の安定感が増した
- 走行中のドアヒンジからの異音が消えた
という声が多かったです。
家具用すべり材は、そのまま両面テープで貼り付けている場合もあります。
他にも、ストライカー部分にねじ部分をハサミで切り抜いた物を貼り付けている場合もあります。
100円ショップでは、スポンジにすべり材が貼り付けられている商品があります。
ホームセンター等で購入できる家具用すべり材に比べると、スポンジのヘタレが早いようです。
貼り付けの時は貼り付け面の脱脂が必要です。
ドアスタビライザーの自作② ゴム板
2つ目は「ゴム板」を使用するパターンです。
厚さの違うゴム板を組み合わせてドアスタビライザーを自作する、という方法です。
ゴム板同士では摩擦が大きいので、接触面にシリコングリスを塗っておくと良いそうです。
この方法の効果は、家具用すべり材の場合と同じです。
シリコングリスの代わりにアルミテープと下敷き(プラスチックの板)を貼り付ける方もおられました。
ドアスタビライザーの自作③ ドアストライカーカバー
3つ目は、「ドアストライカーカバー」を使うパターンです。
これは、車種対応のドアストライカーカバーを使用します。
ドアストライカーに被せて貼り付けることでドレスアップの効果があるカバーです。
ステンレスのような金属の物もあれば、ゴムのものもあります。
AP ドアロックストライカーカバー Bタイプ シリコン製 トヨタ/ホンダ/ダイハツ/スズキ/ニッサン/マツダ等 汎用 選べる10カラー AP-AS177 入数:1セット(4個) Door lock striker cover |
ゴムの物では、2つ目のゴム板と同じ要領で自作できます。
金属の場合は、ストライカーに貼り付ける両面テープを重ね貼りして厚さを調整します。
ストライカーカバーが浮き上がってしまう場合は、ドア側に家具用すべり材やゴム板を貼り付けて調整します。
費用面では販売されているドアストライカーよりもはるかに安く作成できます。
効果も販売されている物に近いので、コスパとしてはかなり優秀です。
試してみたいけど、市販品は高いから手を出しづらい…
という場合に、自作してみてはいかがでしょうか?
ドアスタビライザー TRDとアイシンの違いについて
次に、ドアスタビライザーのTRDとアイシンの違いについてです。
この2つに大きな違いはありません。
元々アイシンが製作している物にTRDやGRのロゴを入れて販売されているだけの様です。
なので、通販サイトで「ドアスタビライザー」と検索すると両方の商品がヒットします。
購入する場合は、取り付ける車種の型式も一緒に検索することをお勧めします。
ドアスタビライザー DIYで取り付ける場合の注意点
ドアスタビライザーはディーラー等で取り付けしてもらう事をお勧めします。
その理由は以下の通りです。
- 工具をそろえる必要がある
- 取り外しに技術が必要
- 取り付け後にドアとボディの隙間調整が必要(の場合がある)
86に取り付けを考えた時もDIYを考えましたが、上の3点がネックとなりディーラーで取り付けてもらいました。
本体と取り付け工賃で済むなら安いもん、と私は思いました。
当時は京都市内にAREA86という持ち込みパーツでも取り付けしてくれる場所がありました。
自分で取り付けるには難しそうな物は、持ち込んだり相談して発注・取り付けをしてもらいました。
現在はCUSTOM GARAGEという名前です。
車のカスタムでは(自作すると)コスパの良いドアスタビライザー。
興味が出たら試しに自作してみてはいかがでしょうか?
【追記】
ありがたい事に、この記事を読まれた方からリクエストをいただきました。
リクエストのあった記事を執筆しました。
以下、【追記の追記】です。
上記の”ドアスタビ”を取付けする時に、ドアスタビも取付けていただきました。
86から乗り換えたNXには、ストライカーカバーが付いていました。
元々のボディ剛性も高めに感じていたので、ドアスタビ取付はあまり考えていませんでした。
今回はリジカラに合わせてディーラーで取寄せ&取付けを依頼しました。
装着後の効果はこの記事に書いている通りです。
ボディの大きなNXでも挙動の反応が早くなったと感じました。
リジカラの効果は記事に書いているので読んでみて下さい。
コメント
リジッドカラーはいかがでしょう?ご講評をお伺いしたい所です。本記事は大変参考になり、購入の動機になりました。お知恵ありがとうございます。
コメント、ありがとうございます!
リジッドカラー、剛性と高速走行時の安定性をアップしてくれるアイテムですね。
記事にしますので、お待ちください。
上ぴょん様
お待たせいたしました!
リジッドカラー、NXに装着いたしました。
記事にしておりますので、ぜひご高覧ください!!